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2018年度 科研費の獲得

  • 執筆者の写真: Sookja Suh
    Sookja Suh
  • 2018年7月27日
  • 読了時間: 2分

科学研究費助成金基盤研究(c) FY2018-2020

研究課題名:「ハーム・リダクションと薬物依存者への社会的ケア:東アジアへの影響、移入、展開(課題番号18K02068)」(研究代表者:徐淑子)

 本研究は、日本ではまだ他国の制度・実践の紹介にとどまる、ハーム・リダクション(危害低減)にもとづく依存症ケアの、日本や東アジアのその他の国々での導入の状況について、「翻訳的適応」という観点から検討することを目的とします。

(概要)

 ハーム・リダクションとは、1980年代のヨーロッパに始まった、薬物使用(依存)者支援アプローチである。「危害低減」を意味し、個人の健康リスク行動(例えば、麻薬の摂取)を完全排除することより先に、目前にある健康被害(例:麻薬注射の回し打ちによるHIVや肝炎ウィルスへの感染)を重視し、それをできうる限り少なくすることを介入目標とする施策のあり方を指す。

 このアプローチの有効性は、HIV感染率の低下、薬物関連死の減少、依存症者の年間医療費の減少、薬物依存者の受療行動の増加など数々の指標によって確かめられている。また、採用国の多くで、依存症の問題をもつホームレス者の対策拡充、刑務所での強制治療の縮小につながる等、社会的影響の範囲も広い。その結果、現在では、2016年の国連薬物問題特別総会でも支持される薬物対策のグローバル・スタンダードとなった。

 ところが、日本や韓国のように、その導入に消極的な姿勢を見せる少数の国があり、中国やヴェトナム、台湾のように、施策導入はされているものの、その後の拡がりに勢いのない国がある。

このような、取捨選択の違いはどこからくるのか。たとえば、日本の場合だと、保健医療福祉分野では、数多くの実践モデルが北欧などに範をとって紹介されている。にもかかわらず、世界で主流となっているハーム・リダクションによる薬物依存症対策は、なぜ入ってこないのであろうか。 

 グローバル・スタンダードになりつつある優れたアプローチが、その発祥の地から他の国・社会・文化へと広まっていく過程で、新しいアプローチへの抵抗や「ローカライゼーション」というチューニング(部分調整)が必ず起こる。この問題を「翻訳的適応」としてとらえ、混合調査法により明らかにしていく。


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